第七話【男の戦い Do you love me?】



ある晴れた朝だった。単車で駅に向かっていた。いつもどおりの朝・・・のはずだった。
駅に着いたその時だった。
「おーい!TM君!!」
詩織の声だ。
同じ駅から電車に乗るということはすでにリサーチ済みだったが、いかんせん朝が弱く、なかなか逢うことはできなかった。
「あれ?詩織先生?ここから電車なの?」などとわざとらしく言ってみる。
「うん。ってゆーか単車通学は禁止のはずだったよーなぁ・・w」
ニヤニヤしながら言う詩織。
「学校までいってないから『通学』ではないお(^ω^:)」
あの事件から詩織は明るく話しかけてくれる。あの時は正直あせったが結果オーライであった。
「ねえ、乗せてってよw」    「え・・・・?」


    第七話               ANOTHER  STORY  OF  TM
,                           EP    7
  男の戦い       Do you love me?


「え?・・・・あの・・・はい?」
「だから乗せてってよw」 
「いいけど・・・」

何故か詩織と登校することになった・・・いまいち状況がつかめないが、とりあえずラッキーな出来事に違いない。
詩織を後ろに乗せてエンジンをかける。 
「うるさーい!」「ええ!?聞こえない!」

腰につかまる詩織の腕の感触を楽しみながら学校へと向かう。
そして学校の近くのわき道で詩織を下ろす。

「見つかったらマズいからここで降りて別々に行こう。」
「なんで?」
「何でって・・・・・」
「わかってるってww」

とりあえず別々に学校へ向かう。誰にも見つかってはいないようだけど・・・
単車を近くの公園に置いて学校へと歩き出す。
「おはよー」「おはよー」朝のあいさつが行きかう中を足早に歩いていく。その途中で声をかけられた。
「おい!TM!おまえ朝、女後ろのせてなかったか!?」クラスメイトであるKだった。
「あるあ・・・・ねーよww俺が誰乗せて学校来るんだよww」
「まぁ、そーだよな。」(アブねー・・・・)


━━━━そして放課後━━━━━━

掃除の時間が来た。そういえば今月から詩織先生担当の掃除場所だ・・・
掃除が始まって少ししてから詩織がやってきた。
「ごめーん。遅れちゃって・・・・・キャー!ご・・ごきぶり」
「マジ!?」駆け寄って箒でつぶしてゴミ箱に捨てる。
「戦いは男の仕事!ww」
「はいはい」
「ってか、もう終わりだしwwwwwwww」
「あらら。お疲れ様。ではかいさーんw」
「ちょwww」

ガッ!

帰ろうとしたところ、襟をつかまれた。
「おうえ!なにすんの!?」
「朝のことバレてなかった?」
「ああ、たぶん。」
「そう。残念ね。」
「残念?なにが?」
「なんでもないよw」
意味深な言葉を残しながら詩織は職員室に帰っていった。


「私のこと・・・好き?」
言えるわけないよね。だって・・・・・


距離がなくなってきていることにニブいTMは気づかない。ここぞというところで気づかない。
詩織の心は揺れ動いていた。ただ、他の生徒とは違う感情を抱いているのはたしかだと思う。
尊敬する先生とはどういう人物なのか?そして二人の関係はどうなっていくのか?

次回!   第八話
世界の中心で
       アイを叫んだ
                          けもの